私 の 作 詞 活 動
私は子供の頃から那賀川の川原で父母が仕事している間、じっと父母の仕事の終わるのを待ちながら川原に寝そべり流れる雲を見ながら色々と想像の世界に入って空想する事が大好きでした、自分が想像上何にでも成る事が出来て、ある時は誰にも負けない強い子供に成り、又ある時は誰にでも好かれる格好良い子供に成っていたり、自分が持ち合わせていない力や容姿を想像して夢の中で遊ぶ少し危ない子供で有ったように記憶している。 (注意事項)
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いもうと | 伊島の娘 | 忘れじの祖谷 | 愛しき人 | ユキと言う女 |
むすめ | 影法師 | お姉さん | どかちん | 幼なじみ |
あんた | 息子よ | 見返り峠 | 阿波踊りの夜 | お出でよ徳島 |
お前さがして | 北の駅 | 別れのあと | ちいママ | 祖谷の恋歌 |
よく聴けよ |
001 | いもうと 作詞 日下 晴久 作曲 川田彩知世 |
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人の世とは何と悲しく儚いもので有ろうか、幼い頃ホッペタがリンゴのように赤い色をして泣き虫で何時も私の跡に付いて来ていた、二つ違いの妹、やがて結婚し二人の子供に恵まれて幸せな生活を送っていたが、不幸は前触れもなく突然に襲ってきた、肺ガンが発見され闘病生活が始まり、病院を訪ねると病室で笑って迎えてはくれたが、その頭には既に闘病のせいで髪の毛は無く痩せ細っていた。
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1, 赤いほっぺにお下げ髪 2, 野良から帰る母の背で 細い野道を追ってくる 遊び疲れて眠ってる 兄ちゃん待ってと泣いていた 土で汚れたその顔に 可愛かったな妹よ 涙一筋光ってた
3, 二十歳半ば嫁に行き 4, 幾年過ぎて母は逝き 兄ちゃん今は幸せと あとを追うのか妹よ 話せば子供の事ばかり 野菊の香る病室で 逢えば白い歯見せていた 坊主頭で笑ってた
5, もつと生きろと願えども 6, 二つ並んだ親子星 やせ衰えた白い手に 元気でいるかと叫べども あとは頼むとペンを取る キラリキラリと光るだけ 今は帰らぬ流れ星 心凍てつく冬の夜
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002 | 伊島の娘 作詞 日下 晴久 作曲 川田彩知世 |
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四国の最東端、「伊島」の絶壁に今日も朝から太平洋の荒波寄せ来る沖合をじっと眺める娘が一人ただずんでいた、娘の許婚が台風が接近している暴風の荒波の中へ、漁から帰って来ない友達を助けに行くと出航して行ったが、幾ら待っても彼も友達も帰っては来なかった、既に一年の月日が経ってしまった。 |
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1, 貴方は三十で私は二十歳 阿波の伊島で育った二人 何時かは所帯を持ちたいと 貴方の言葉を待っていた
2, 波頭逆まく嵐の夜に 人を救うと出かけて行った あれから一年帰ってこない 貴方の姿が瞼に浮かぶ
3, 何時かはきっと帰って来ると 岬に立って水平線を 眺め続けて心に祈る 蒲生田岬も涙でかすむ
4, 貴方の親は元気でいます 便りの一つも送って欲しい 早く元気で帰って来てと 沖へ飛び行くカモメに叫ぶ
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003 |
忘れじの祖谷 作詞 日下 晴久 作曲 川田彩知世
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「忘却とは忘れ去ることなり、忘れ得ずして忘却を誓う心の悲しさよ」この言葉は名作「君の名は」の前振りの一節で有りますが、交際している男女に取って近づき過ぎると疎ましくなり、彼女は交際していた彼と些細なの口論の末に、彼と別れ故郷を捨て都会へ出て行き一人で生活して来た。
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1, 覚えていますか私のことを 橋の袂で別れた二人 思い出すのは貴方の笑顔 霧にかすんだカズラ橋
2, 都で過ごした5年を捨てて 心弾ます祖谷への旅路 貴方に逢いに帰ります 胸に抱かれて眠りたい
3, 忘れたはずの貴方の胸で 生まれ変われる私なの 祖谷のいで湯で聴く歌は 愛しい貴方のこひき歌
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004 |
愛しき人 作詞 日下 晴久 作曲 日下 晴久
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男とは彼女が嫁に来てくれるまではあの手この手で気を引きながら、嫁に来てしまうと最初の気持ちを忘れ色々と世話をしてくれる事が当たり前の様に思い、感謝の気持ちを忘れがちに成ってしまう事が多い様に思います、親の反対を押し切って嫁に来てくれた妻の気持ちを何時までも大切に忘れないようにし、男の見栄などは捨てて今日からは、お前と二人仲良く暮らしていきたい、共年寄りに成り幸せな一生で有ったと思えるような夫婦で有りたいと、その気持ちを詩に書きました。
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1、 苦労かけたななぁお前 なんの取り得も無いままの 歳の違ったこの俺に 貴方が好きよと手を握り ふた親捨ててついて来た
2、 田舎の街の片隅で 貧乏暮らしも苦にせずに 朝も早よから夜なべまで 愚痴の一つもこぼさずに 黙って支えてくれたやつ
3、 男の面子と意地を張り 優しい言葉も掛けないで お前の気遣い健気さに 心の中で手を合わす 何時かは着せたい嫁衣装
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005
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ユキと言う女 作詞 日下 晴久 作曲 川田彩知世
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1, 貴女とと初めて逢ったのは ヨシコノざわめく秋田町 路地を入ったスナックの 暗いほかげに俯いた 白いうなじが気をそそる
2, 肩まで下がった黒髪を 手でかき揚げて微笑んだ 着物姿の美人ママ ユキと言う名を教えられ チークダンスで夜が更ける
3, 径を覚えた阿呆鳥 飲めぬお酒を無理に飲み 身の上話につまされて 暗い過去など忘れろと ユキと名を呼び抱き寄せた
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006 |
むすめ 作詞 日下 晴久 作曲 川田彩知世
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人生とは「出合いと別れ」の連続で有ります、縁有って結婚生活を営んで居た家庭にもやがて別れが訪れるかも知れません、時が経ち離婚が決定し女が乳飲み子を残して家を出て行く最後の日、未だ立って歩く事が出来ない一歳の幼娘に乳房を含ませ今宵限りの添い寝と涙を堪えて抱きしめた。
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1, 乳房含ませ頬すり寄せて 立って歩けぬ乳飲み子を これが最後と添い寝する 幼子残し故郷捨てた 母を呼ぶ声忘れはしない
2, 遠く離れて暮らしていても つのる思いに枕を濡らす 元気で賢く育ってくれと 我が身を分けたお前の事を 忘れたことは一時もない
3, 詫びて戻れぬ母なれど お前を見たくて帰った街で 可愛い娘に育つた姿 陰から眺めて心が騒ぐ 何時かは母を許しておくれ
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007 |
影法師 作詞 日下 晴久 作曲 日下 晴久
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夫婦で有っても長い人生に於いては楽しい蜜月の日はそう長くは続か無いと思います、どちらかと言えばお互いが余り意識しない空気の様な惰性の関係が続くものです、時には険悪な関係の日も多いのではないでしょうか、久しぶりに夫婦揃っての外食で妻の指に目をやった時、指先の痛々しいひび割れと手の節膨れに妻が何の愚痴も言わずにじっと耐えて、まるで私の影法師の様に頑張ってついて来てくれた苦労を思い胸が熱くなりました。
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1, 許してくれよなぁお前 どんな苦労も厭わずに 黙って俺に付いて来た 手の節ぶくれやひび割れに お前の痛みが身に浸みる
2, 苦労掛けたななぁお前 愚痴の一つも漏らさずに 風の吹く日も雪の日も 何時も離れず影法師 支え続けてくれたやつ
3, 待っててくれよなぁお前 やつれたお前のその陰で 遊び呆けた俺がいた 心入れ替え明日から 二人で手を取り歩みたい
4, 二人で入る露天風呂 そつとお前の肩を揉む 顔赤らめて嬉しいと つぶやく頬に露の跡 俺はお前の影法師
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008 |
お姉さん 作詞 日下 晴久 作曲 川田彩知世
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目を瞑れば鮮やかに浮かんで来るのは、幼い頃故郷の蓮花畑で三つ違いの隣の姉さんが、花を繋いで首飾りを作って「あなたの嫁さんに成ってあげる」と言って首に掛けてくれたこと、姉さんの顔が夕日に映えてすごく綺麗で嬉しくて二人で「指切りげんまん」をした遠い日、先日そんな隣の姉さんの訃報聞かされました。
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1, 浮き雲流れる故郷の 幼き昔を偲ぶれば 蓮花畑で花を摘み 花束作ってくれた人 隣の姉さん思い出す
2, 高校生に成った頃 淡い憧れ抱きつつ 気持ちを話せど伝わらず 隣の姉さんニッコリと 黙って笑って聴いていた
3, 高値に一輪咲く花と 胸に閉まって諦めた 逢えば笑って頑張れと 何時も応援してくれた 綺麗で優しいお姉さん
4, 都会の彼に嫁いだと 風の噂で聴いていた 夫婦仲良く暮らしてる 何時かは逢えると楽しみに 遠く離れて祈ってた
5, 姉さん急に旅立った 心ふるわす悲しさよ 黄泉の幸せ願いつつ 生まれ育った故郷の 母を見守る星となれ
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009
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どかちん 作詞 日下 晴久 作曲 川田 潤 | |
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若かった頃親に反抗し世間にすねて、両親から貰った綺麗な体を汚し粋がって街を闊歩していた、そんな私に居酒屋で働く女が黙って一生懸命に優しく尽くしてくれました、「私に尽くしても幸せに成れないよ」と幾ら言っても彼女は変わることなく尽くし続けてくれました、これ以上この街で生活すれば彼女を不幸にしてしまうと思い、ある日私は彼女の幸せを願って黙って街を出ました。 昭和三十年代後半から昭和五十年代に掛けての右肩上がりの好景気に沸く国土日本の開発の影に隠れて、3Kと言われながらも道路工事に、橋梁工事に、トンネル工事にと必死に成って働いてきた「土方殺すに刃物はいらぬ雨の三日も降ればよい」と嘲笑されながら自分の体を粉にして働き国土開発の一端を支えた「土方と呼ばれる名も無き人達」、建設機械もそれほど発達していなかった時代、事故により逝ってしまった人達の多かった事も事実であり、心優しき彼らとともに同世代に生きれたことを私は誇りに思いこの「どかちん」と言う愛称と一編の詩を捧げ心からの感謝の気持ちを表したい。
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1, 俺が居たのじゃお前の不幸 黙って一人で旅に出た 飯場暮らしの侘びしさは 土方で生きる俺の道 今日も汗かき穴を掘る
2, 里には桜も咲いたろか ふるさと捨てて早三歳 雷鳴とどろく山あいに 霧が沸き立つ風が吹く 土方泣かせの雨が降る
3, 飯場暮らしも板に付き 万年布団の独り寝は 心凍てつく人肌恋し 忘れたはずのお前の顔が 瞼に浮かんで目か冴える
4, 西から東と現場を流れ 長い黒髪見るたびに 別れたお前を思い出す 過去の事だと諦めて 土にまみれて生きて行く
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010
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幼ななじみ 作詞 日下 晴久 作曲 川田彩知世 | |
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私は人口数百人の小さな山峡の村で育ちました、大きな川の対岸へ架かった吊り橋を渡った所に幼友達の女の子が居ました、小学校へ通う朝は毎日吊り橋を渡って駆けてくる、彼女を待ち学校へ通うのが楽しみの一つでした、時が経ち同じ高校へ入学する事が出来お互いが意識し始め交際が始まって暫く経ったある日、彼女は交通事故で突然に逝ってしまいました、密かに嫁さんにしたいと思っていた彼女が突然に居なくなった寂しさとむなしさに心をかきむしられる想いでした。
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1, セーラー服の君を待ち 何時も一緒に通う道 肩を並べて語ったね カタコトカタコト君が来る 吊り橋揺らして駆けてくる
2, 髪をなびかせ手を振った 君と別れて独りぽち 何時も寂しく帰ってた カタコトカタコト君は行く 吊り橋揺らして帰ってく
3, 同じ高校に合格し 君の父さん喜んで 二人のお祝いしてくれた カタコトカタコト手を繋ぎ 吊り橋揺らして君の家
4, 二人で肩組歩いたネ 木陰で抱き合いチュウをした 僕のハートは爆発だ カタコトカタコト君と行く 吊り橋揺らして初デイト
5, 初めて僕の家へ来た 胸にもたれた君の頬 指でポツンと突いてみた カタコトカタコト君が来た 吊り橋揺らして浴衣着て
6, 事故で君が逝ったとは 母さん知らせにやって来た 瞼はらして泣いていた カタコトカタコト泣いている 吊り橋風で揺れている
7, 線香の揺らぐその向こう 写真の君は笑ってる 僕のハートは壊れてた カタコトカタコト人が行く 吊り橋揺らして弔いに
8, 解って居ながら待ってみた 涙で景色もかすんでる 風が唸って泣いている カタコトカタコト君を待つ 吊り橋揺らして来るかなと
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011 |
あんた 作詞 日下 晴久 作曲 川田彩知世
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農家に生まれ育った私も年頃になり、徳島の町人の女性が好きになり結婚したいと両親に二人で挨拶をしましたが、お前の嫁は農家からでないとダメだと反対され、二人はお互いの家を捨てて両家の家族に隠れて徳島の裏街で生活を始めました、貧乏な生活で知り合いの喫茶店からパンの耳を貰って一食に当てた事もありました。
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1, 六畳一間でひっそりと 二人で隠れて暮らしたネ 明日も解らぬ貧しさも あんたの優しい労りを 心の支えに生きてきた
2, 明日の稼ぎと紅をさす ネオン揺らめく秋田町 路地を入ったスナックで 顔で笑って心で泣いた 幸せあまりに遠すぎた
3, 苦労の末に報われた 二人で掴んだ幸せが 寒い夜風に散らぬなら 他には何も欲しくない アンタが居れば生きられる
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012 |
息子よ 作詞 日下 晴久 作曲 川田彩知世
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建設現場の事務所に居た私の所へ地元の総合病院から電話が掛かってきた、妻が早産の恐れで緊急入院したとの事である、現場から急ぎ駆けつけた時には既に未熟児として息子は生まれていました、シワだらけの小さい体を硝子の箱の中で動かし続けていました、担当医からは希望は持てません、ここ数日が山ですと言い聞かされた、私は数日経って妻と一緒に硝子越に息子を眺めていた時、妻が突然に大きな声で「どうせ助からないのであれば、今硝子の箱から出して一度この腕にしっかりと抱いてやりたい、そうでないと母親に一度も抱かれる事無く死んでいくこの子が余りにも可哀想過ぎる」と泣き崩れた、それから一ケ月経ち奇跡的に硝子の箱から息子は元気に出る事が出来ました、それからは小さい体ながら息子は元気にすくすくと育ち、現在は私と息子の二人で小さい会社を経営しながら幸せに生活しています。
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1, 生まれて来たなおめでとう 硝子の箱で跳ねている シワにまみれた小さな子 せめて一度はこの胸に 抱いてやりたいこの命
2, 硝子の箱は出たけれど 小さな小さな男の子 妻に良く似た色白の 俺にも似てると覗き込む お前を抱いて子守歌
3, 土にまみれて野を駆ける 病に負けぬ元気な子 男前では無くっても 少し頭が悪かろと 他人に優しい人となれ
4, お前の優しい気遣いに 頑固な爺の目に涙 家族で働く幸せに 俺の全てを伝えたい お前は俺の宝物
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013 |
見返り峠 作詞 日下 晴久 作曲 川田彩知世
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祖谷地方へ橋梁の点検作業に行き、80歳近いお婆さんと友達に成った、色々と話す内にお婆さんは自分の若い頃の話をし始めました、昔は道が狭くて坂も急で、村外へお嫁に出て行く時、馬の背に揺られて九十九折りの坂を越えて行ったそうです、道を曲がる度に自分が育った茅葺き屋根の我が家が見えて涙したと、遠くに目をやりながら語ってくれました、人はこの坂を「見返り峠」と呼んだそうです、三年程は幸せな結婚生活を送っていたのですが、夫が事故で亡くなり姑に「未だ若いのだから里に帰れ」と言われ、三歳にも満たない娘を連れて見返り峠を越えて祖谷に帰ってきたとの話を涙しながら語ってくれました、その話に感銘を受けて詩を書き、川田さんに作曲して貰い、CDに録音して、翌年お婆さんを祖谷に訪ねましたが、既にお婆さんは亡くなっていて、ついに私の詩は聴いて貰えませんでした、人の命のはかなさを想い知り悔いが深く残った詩であります。
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1, 里に帰れと家追われ 母に連れられ峠を越える 母娘で仲良く暮らそうと 二人で手を取り泣いていた 此処は奥祖谷見返り峠
2, 父さんが逢いに来ないと だだ捏ねる私を背負い 夕暮れの山道登り 南の空の父さん星を 母と眺めた見返り峠
3, 父のない子の見る夢は 運動会で手を引かれ 父と仲良く走る夢 微笑む姿の父さんに 逢いに行きたい見返り峠
4, 母さんお世話に成りました 明日は目出度い門出の日 白無垢姿を見せたいと 父さん星が輝く頃に 母娘で登った見返り峠
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014 |
阿波踊りの夜 作詞 日下 晴久 作曲 内田 明子
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会社勤めに疲れ果てて休暇を取り旅に出ました、淡路経由で徳島へ入った時が丁度阿波踊りの最盛日でした、桟敷の入場券は手に入れたものの、桟敷の場所が初めての事で解りませんでした、新町橋の袂で踊り衣装の若い女の人に声を掛けて聴くと、「今からその桟敷へ躍り込むので案内します」と手を握り人混みを掻き分けながら誘導してくれました、何の飾りもしていない細くて綺麗な彼女の指が汗ばんでいるのがすごく艶めかしく、ドキドキしながら跡に付いて人混みを掻き分けて桟敷に着きました。
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1, 君と初めて逢ったのは 今から丁度2年前 会社勤めに疲れ果て 心癒しに徳島へ 旅した夏の頃だった
2, よしこのざわめく橋の上 桟敷を尋ねる僕の手を 握って人混み掻き分けた 踊り衣装の君の顔 汗が光って笑ってた
3, 桟敷で眺める阿波踊り 笠で隠れた君の目が 私に気が付き頷いた 赤い蹴出しが揺れている 心ときめく夏の夜
4, 今では愛しい僕の妻 二人で眺める阿波踊り 近頃お腹も目立つてる 生まれるこの子が女なら 踊り上手に育てたい
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015
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お出でよ徳島 作詞 日下 晴久 作曲 川田彩知世 | |
2010年だったでしょうか、徳島青年会議所が徳島を宣伝するような曲を募集していました、初めて詩を書き応募しましたが見事に落選しました、最初から選に入るとは思っていませんでしたので、そのまま忘れて作詞したノートに挟んでいたのですが、それを川田さんが目に留めて曲を作らせてと作曲してくれました、徳島の四季の観光と生活を書いたつもりでしたが、どうでしょうか。
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1, 阿波の徳島知ってるかい 春の大潮鳴門に来れば 世界一だよ鳴門の渦は 激流育ちの鳴門の鯛を 食べて行かんせ魚の料理
2, 阿波の8月踊りの季節 街がざわめくよしこのリズム 踊り期間の四日に掛けて 老いも若きも踊って果てる 嫁に取るなら踊り子美人
3, 阿波の紅葉を見に来ておくれ 祖谷の秘境のカズラ橋 清き水面に紅葉が映える 露天の風呂に浸かって聴くは 誰が歌うか粉挽き唄
4, 四国遍路の一番寺は 阿波の大麻霊仙寺 冬の阿波路に同行二人 きつい山坂我慢の歩み 情けが身にしむお接待
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016
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お前さがして 作詞 日下 晴久 | |
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1, お前と別れて恋もした 虚ろな心は満たされず 今も心に残るのは 駅で別れて手を振るお前 未練男と笑えば笑え お前を捜して旅に出た 木の葉舞い散る北の街 茜の空に日が落ちる 逢いたいなぁ恋しいなぁ 今日もさすらう旅の空
2, 南の街の祭りの夜店 お前に良く似た後ろ影 胸は高鳴り心は躍る 前に回れば似た他人 体の弱いお前の事が 元気で居るのか気に掛かる 何処でどうして居るのやら 心安らぐ時もない 逢いたいなぁ恋しいなぁ 今日もさすらう西東
3, お前の面影心に抱いて 旅の寝床は星の宿 体凍てつく心が寒い 今宵の夢に何を見る 探しあぐねて今年も越えた 生きて再び逢えぬのか 田舎の道の道祖神 両手合わせて心で祈る 山の彼方に日が沈む 明日は故郷に帰ろうか
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